平飼いとはどのような飼育方法ですか?他にどのような方法があるのでしょうか

現在、日本の採卵鶏は殆どがパタリーゲージで飼養されています。概ね幅24cm×奥行40bm×高さ43cmの、鶏が2、3羽入ったカゴが何段も重なった形式です。単位面積あたりの飼養羽数が多く、鶏が本来持つ習性をコントロールした合理化が可能です。養鶏場1軒あたりの規模はどんどん大きくなり、反対に戸数は減少しました。輸入飼料と徹底した合理化が現在の卵価を支えています。

平飼いは現在、主に肉用鶏で行われ、採卵鶏ではわずかです。
庭先飼いからゲージ養鶏までの移行期には一般的な形式で、中島正氏の『自然卵養鶏法』(農山漁村文化協会)等に見ることができます。1区画の言葉通りの平らかな空間に、給餌・給水器、止まり木や産卵箱、砂浴び場、敷料等があります。

後藤もみじの鶏舎は1区画凡そ4〜4.5坪程。一般に坪面積当たりの飼養羽数は10〜15羽と言われていますから、6〜7羽/坪程度のゆったりとした飼育です。概ね有精卵にするには、オス1羽に対してメスが15羽くらいまでと言われていますが、経験的に鶏種によってオスI羽に対し、メスがストレスを感じないで居られる限界の羽数もあるように思います。
ゲージ飼いとは効率に於いて比べようもありませんが、上手に飼養すれば、鶏本来の習性を尊重しながら、多くのメリットを見出す事ができると考えています。

EUでは2012年以降、鶏のバタリーゲージ使用を禁止しました。「飢えや渇きからの自由」「痛み、負傷、病気からの自由」「恐怖や抑圧からの自由」「不快からの自由」「自然な行動をする自由」。これら鶏の5つの自由を尊重するため、より広いエンリッチドケージ(拡充ケージ)や産卵箱や止まり木、砂場を整える福祉ゲージ等への切り替えを求めています。2008年1月8日、欧州委員会はバタリーケージによる採卵鶏の飼養の禁止が、鳥の健康や動物福祉の改善につながるとする報告書を公表しました。卵の生産コストは上昇しますが、疾病発生のリスクなどが軽減され、また高品質な卵が生産できることから、EU域外の生産者に対し競争力を有することになるとしています。(独立行政法人農畜産業振興機構ホームページ参照)

実際に平飼いを実践してみると飼養管理によっては競争等により、いじめや鶏が死ぬということが起こったりします。その原因をみると飼養面積の不足、給餌量・給水量の不足、急激な温度変化、産卵箱の不足等でした。鶏本来の習性を発揮させる飼育法を実践するには、ゲージ養鶏とは異なる適期適切なこまめな観察や飼養管理、「鶏を満足させる」さまざまな工夫が欠かせません。鶏にとって充たされている状況では競争は起こりにくいと考えています。

日本では殆どがゲージ養鶏ですが、一部では放牧運動場のついた平飼い養鶏などが行われています。養鶏場の経営理念や周辺の環境、防疫との兼ね合わせで、様々な経営が行われています。