経過観察中の日々の感想

2020年2月24日 無事退院

 昨日、無事に退院しました。家に帰ると…片付けのてんこ盛りです。ちょこちょこ動いて強制リハビリ。流石に疲れて昼寝中??

 その後に…

 疲れるすぎると37度程度の熱が出るので、3月5日の2回目の経過観察で「どの位、動いて疲れても大丈夫ですか?」と聞きました。「軽い家事、気分転換の片付け程度ならいいけれど。本気モードはダメよ」との事。疲れる程、集中してはいけないそうです。

 半年も家を空けて、かつ自営業だったのでそれまでの仕事の残渣があちこちに。1時退院した時などは、洗濯機の中に3ヶ月近くも洗ったまま干せなかった洗濯物がかび、雨戸を閉めないまま帰れず、台風に吹き込まれた部屋の中がまたかびだらけになっていました。カビは吸い込むと大敵なのでいまはそこには戻れません。

 緊急時にサポートしてくれる人が見つかればいいのですが、突然の発病は時期を選べないので単身者はなかなか大変だと思います。

 コロナウィルスも罹患すると重症になる可能性があり、細心の注意が必要ですが、確定申告期限が延びたのでゆっくり一つずつ片付けることにしました。

 

2020年2月27日 前向きになる為に

 家に帰ってもう5日目です。

 ここ数日、籠もっていて気持ちが落ち込んでいました。バイタルデータは悪くないのに、足が浮腫んで、抗がん剤投与中の様なダルさや軽く体内がカアッとした様な感じがあります。

 コロナウィルスが心配でしたがこのままでは駄目だと思い、今朝は散歩に出ました。寒かったけれど気持ちよかったです。気分も前向きになりました。

 その後に…

 2月29日の経過観察で足の「浮腫」と思っていたのは、急に動きが増えたための筋肉痛だと判明しました(笑)

 

2020年2月29日 初めての経過観察と告知について

 昨日、初めての経過観察に行きました。

 免疫力がまだ不完全でコロナウィルスが心配なのに、公共交通機関は勿論、免許を持たず運転が出来ないので、知人が車を出してくださっています。事前にアルコール消毒をしてくれたり、大変な事で只管感謝です。

 血液検査の結果は概ね問題なしでした。ゆっくり白血球が回復してきています。

 「覚えてる?この部屋で告知をしたけれど…」と感無量そうな先生。告知だけ覚えているのに、その前後の検査やどう病院を移動したのかの記憶がなぜか何処かに飛んでいってしまっている…。

 「買ったもの(お惣菜)でも家で温めれば食べていいわよ」。倦怠感が残る中で3度の料理をしなければならない事に気を配って言ってくださる。

 いまだ多少のふらつき等があって疲れるとめまいがすることもあります。単身者でかつ自営やフリーターは増えているけれど、6ヶ月近く入院し、更に仕事に復帰できるまで収入も途絶えるのに、高齢者支援が受けられるまでの現役世代は末期がんやある程度の障害が残る状況等にならないと生活上、一時的に必要な支援もないという事実に病気になってから気づきました。

 病院で要生活支援と認定されなくても、例えば退院までに自分でやってはいけない事で、かつ予めやっておかなければならない汚れた部屋の大掃除やエアコンクリーニング等の依頼、そして入院したら必要な役所への申請など家族に「支えてもらおう」と退院後の生活の注意等に書いてある部分は全て金銭負担を負って、自ら依頼し解決しなければならない状況になります。それらは支援者の方々が助けてくださって感謝しかありません。

 日常の生活は工夫で何とかできることも多いです。それでも健康な時の暮らし以上に気を配り、毎日身体や部屋を清潔に保ち、きちんと食事をバランス良く食べ、睡眠をきちんと取るなど気をつけなければならない事は意外に多いです。転倒の危険がある重いものを運んだり、階段の上り下りでさえ注意して庭掃除などは出来ません。コロナウィルスが流行している状況では、業者が家の中に入る事も不安の要因になることもあります。いつ家の中で倒れるかもわからないけれども、発見してくれる人もいないことになります。

 20代から掛け捨ての手頃ながん保険に入っていましたが2、3年前に満期に。新たながん保険に入らなきゃと思いながら忙しさに紛れ、また保険料負担の心配もあって行動を起こせないままに発病してしまいました。仕事ができなくなった場合の保険も気になっていたのですが、それも結局、きちんと検討できないままでした。

 移植や退院後の通院治療が必要ない場合でも、入院が長期に渡り、差額ベット代がかからない部屋に入っても入院中の費用だけで自己負担額が120万程にはなっていると思います。経過観察中の検査等の自己負担や通院費も結構な金額になります。しかも仕事が養鶏業なので1年半は休業するようドクターストップがかかっています。急性の白血病になる確率は本来なら低いのですが、看護師さんも最近は増えている印象だと言っていました。

 同じ様な状況の方はがん保険と仕事ができなくなった場合の保険に入って、身の回りに出来る限り多くの緊急時に頼れる人をつくっておきましょう。実際に病気になった時にその人が頼れる状況かどうかもわかりません。またおひとり頼ると負担が大きすぎて頼られた人が潰れてしまいます。

 その後に…

 3月5日の経過観察2回目で思い切って先生に聞きました。

私  「この治療で何が1番命取りになるのですか?白血球が少ない時期の感染症ですか?」

先生 「いえ、血小板が少ない時期の(内部)出血ですね」

私  「あ!つまり気絶して顔面から倒れた時が1番危なかったんですね⁉︎ 肺炎や腸炎よりも」。(今考えると入院した時点も!)

先生 「対処できないから」

私  「もしあのまま病気が見つかっていなかったら、どの位でアウト(命がなくなる)になっていましたか?」

先生 「1週間です。出血を起こしていたでしょう」

私  (内心)「やっぱり、推測した通りだった…。」

 

 実は2020年が明けてから、入院中の主治医(経過観察をしてくださっている先生は告知をしてくださった先生です)に同じ事を伺いました。

 「うーん、1年生きている人は見た事ないです」。

 「まだ治療中に不安を与えてはいけないと思われたのかも」。
無治療では3〜5ヶ月の命と本やインターネットで調べていたので治療が無事に終わってからならば、もしかしたら事実を話してくださるかも知れないと時を待つ事に。

 日本最大級の医療従事者専用サイト M3.com『「医師の裁量の範囲」から「義務」へ【平成の医療史30年◆がん告知編】30年でがん告知率80%増、何が? 2019年3月4日 岩崎雅子』に 「2016年には、国立がんセンターが全国778施設を対象に「院内がん登録全国集計」を実施し、初めてがんの告知率が全国的に集計された。結果、告知率は94%に達していることが明らかになった」と書かれている。

 告知の歴史がわかりやすく書かれているのでご参考までに。

 医師にとっても告知は心理的負担を伴うもの。

 私は自身の病気がどういうものなのか、積極的に治療に向かい合う為にどうすべきか、治療の選択のための指標、命のある時間の中で片付けておくべき事、万が一の時の残り時間をどう過ごすかが重要な問題でした。

 病気自体の告知にはショックを避けられなかったけれども、事実を知る事自体も生き方として背筋を伸ばして向き合いたいと願っていました。

 入院した9月5日に主治医から骨髄検査の結果を説明された時、骨髄の50%ががん細胞との事で、その僅か5日後には70〜80%ががん細胞でした。それと「無治療では3〜5ヶ月の命」を掛け合わせるとあと5日とか?何にしても9月末までは生きていないだろうと思っていました。後日、本当に一週間と言われたら、その間に何ができたかわかりませんが、入院した時点では不思議な事に「それなりに頑張ったから」と言う気持ちになっていました。

 突然飛び込んでくる患者の気持ちになる事は難しいし、約6ヶ月の入院期間を経た後の先生との信頼関係はその時とは全く違いました。告知してくれなかったから悪かったと言う事ではなく、もし9月10日の時点で無治療だったらの前提で余命を告げられていたとしても、言ってくださった事に私は感謝していただろうと思います。

 

2020年3月2日 「病は毒を以て制す」?

 抗がん剤の副作用で髪の毛が失われるのは知られていますが、爪にもクッキリと回毎に横溝が刻まれました。化学療法は第一次世界大戦の毒ガスの研究から生まれたと『よくわかる白血病のすべて』(編集 大野竜三 永井書店)という本に書いてありました。恐らくは目に見えない身体の内部まで傷を負いながら、命を護ったのだと爪を見る度に感じます。

 免疫を司る骨髄の中の白血病細胞、正常細胞とも死滅させ、ほぼからの状態にする荒技を誰が考えたのでしょう。でもそれで全ての患者が救われるわけではありませんが不治の病ではなくなったという事実があります。「生きる」という事とその事実の間で爪を見る度に複雑な気持ちがします。

 昨日、今日辺りから昼寝をしなくても何とか1日過ごせています。「無理は禁物」と皆からツイートやメールを貰います。

* 治療中に先生方より白血病を学ぶ為に『病気がみえる vol.5 血液』医療情報科学研究所編集、メディックメディア発行という本を教えていただきました。

 その後に…

 3月5日に経過観察2回目に行き、爪が割れる訳と対処について聞きました☺️。

 抗がん剤投与時に作られた部分がダメージを受けて出来たのが横縞でそこがもろいそうです。爪が延びて横縞部分が先端に来ると割れてしまうのだそうです。

 また抗がん剤の副作用で髪の毛が「抜ける」と言うけれど、投与中に成長した生え際部分は爪と同じで弱いそうです。それで抜けるのではなく、生え際でぽきっと折れてしまうそうです。

 OPIのAVOPLEX(アボプレックス)シリーズのネイル&キューティクル補給オイルがよいみたいと教えて貰いましたが、残念ながら今夏リニューアル予定で手に入りません。それでできるだけ自然なものでお気に入りを探す事にしました。