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牛の歩みGROUPとは

 牛の歩みGROUPは、どんなに険しい道でもコツコツと歩む集団でありたいと思い命名しました。奥村土牛著『牛のあゆみ』に記された雅号に秘められた願い、養鶏家として約30年歩んできた想いと学芸員として奥村土牛の地道な研究に今後の人生を費やしたいというふたつの願いにあやかったものです。
 就農は祖母からの相続を契機として与えられたものでした。平成3年に改正された生産緑地法、相続税納税猶予制度の内容も正確に知らないまま受け継ぎ、自らの責任となりました。営農品目の何が向いているのか分からず、カジュアルフラワーに取り組みました。耕運や運転ができず、女性として農薬等を使用したくないと考えていた時、父が小規模に行っていた養鶏をより良いものにしようと考えました。農業技術がなくやっていけるのかすらわからないスタートで終身営農の重みに自沈しそうな日々でした。ですが継続は様々な喜びを与えてくれました。お客様の言葉、鶏達に良い事を工夫する喜び。人と関わり、養鶏に軸足をつけて次第に覚悟が決まるうちにその楽しさが感じられるようになりました。蒼も松庵舎も人生の軌跡として私らしくありながら、生きて食べていくという事の大切さ。生き方の模索が今日を形づくりました。合理化だけが人を豊かにするとは言えません。慢心して知恵や工夫を怠らないよう養鶏はしぶとく飽きずに、嵐でも雪でも生きものと向き合わざるを得ないところに大変多くを学びました。

「牛の歩み」はそこから始まったのです。

 牛の歩みGROUPは牛の歩み資料美術館、養鶏、蒼、松庵舎、オフイスオクムラと関わってくださった方々が理念を共にして来た発展形として、今後の活動を一にするグループです。
 蒼は大正5年に建てられた蔵を平成12年に改修し、16年ギャラリーとしてスタートしました(企画ギャラリー)。松庵舎は地域のカルチャー教室として、平成20年から令和元年まで文化教養と手作りの創作を愉しむ講座を開催しました。人は何処かに居場所があるとほっと寛ぐことができる。そんな仲間が集う場になっています。オフイスオクムラは「雑誌やブログなどに著作原稿と写真作品を発表し、いろいろな取材やスタジオで撮影した写真をフォトライブラリーで公開しています。牛の歩み資料美術館の奥村土牛資料室では、取材や調査をもとに土牛研究資料の充実に努めています。ホームページを通して、私たちは裏付けされた真実と考えを発信していきます」(オフイスオクムラホームページより転載)

 私達はこれまでそれぞれの分野を独立して、芸術文化を様々な角度から思考してきました。これからはその経験に基づき、芸術文化に向き合う姿勢を実践するグループとして力強く歩んでいきます。

 2017年8月5日
 (加筆修正 2019年10月29日)